【保存版】スキミング手口写真40枚とその防止対策
海外旅行者には、両替レートが得な「海外キャッシング」(現地ATMでの現金通貨引出し)ですが、海外で現地のATMを使うときには、スキミング犯罪が気になりますよね。
スキミングとは、デビットカードやキャッシュカード、クレジットカードなどのカード情報を盗まれ、勝手に使われてしまうこと。(盗み方には様々な手口あり)
日本は、海外よりも少ないと言われているスキミング。では、世界各国の最新事情は、どうなっているのか?
をまとめてみました。クイズ:あなたは見抜けますか?
さて、いきなりクイズです。
このATM、スキミング機械付きです。どこが怪しいでしょうか?

答えは
・
・
・
右上の白いカバーの中に、カメラが設置されていました!

スキミング発見クイズ第2問
次、第二問。
このATMにはスキミング機械が2つ付けられています。どこでしょうか?

答えは
・
・
・
まず一個目は、カード挿入口。
同じ材質のカバーを作り、かぶせ、そのカバーでカード情報を読み取る手口です。

そして、二個目は、テレビ画面上の広告。広告の裏にあるカメラから暗証番号を打ちこむのを撮影していました。

スキミング発見クイズ第3問
3問目です。
これはちょっとサービス問題。簡単です。
このATMの、どこかにカメラが隠されています。さあ、どこでしょうか?
これがわからなかった人は、今後、要注意ですよ〜。

答えは
・
・
・
テレビ画面の上でした!この機械がガバッと取れるようになっています。
よく注意して見ると、この部分だけ光沢のないグレーですよね。
スピーカーの穴に見せかけたところから、暗証番号を打つ様子をビデオ撮影をしていたんです。

さて、あなたは、クイズの結果は、どうでしたでしょうか?
上の3つのスキミングは、すべてアメリカのものでした。
でも、実際には、スキミングは世界中に行われています。
日本では、2013年に発覚した、セブン銀行ATMでのスキミング事件が有名です。セブン銀行のATMは、コンビニによく設置されていますよね。
セブン銀行は、このような、実際のATMでの犯行写真を公開して、警戒を呼びかけています。

このように、日本でも決して他人事ではない、スキミング犯罪。
では、このスキミングって、どういうもので、どう防止できるものなのでしょうか?
そもそもスキミングとは

さきほど、スキミングとは、デビットカードやキャッシュカード、クレジットカードなどのカード情報を盗まれ、勝手に使われてしまうこと、と書きました。
ATMでのスキミングで言うと、上の図でわかるようにスキミングは3つの作業から成ります。
- 機械を設置し、カード情報を読み取る
- 隠しカメラで、暗証番号を読み取る
- カード情報をパソコンで解読する
ここで、一つ、重要なことを言います。
↓コレです。
ATMのスキミング犯罪は、「カード情報」と「暗証番号」がセットで盗まれて、不正利用される。
逆に言えば、
ということです。
これは必ず覚えておいてください。
(暗証番号の守り方についても、下に書いています)
上で紹介した、セブン銀行ATMのスキミング事件でも、カード挿入口から「カード情報」が、ATMの仕切り壁に付けられた隠しカメラ内蔵の箱から「暗証番号」が盗まれる仕組みでした。
↓こちらは、西オーストラリア警察が、スキミング被害の注意を呼びかけたものです。やはり、「カード挿入口と隠しカメラの2つに注意!」ということを言っています。

↓英語ですが、「two parts of the ATM」と書いてあり、「ATMの2箇所に注意しろ」と言っていることがわかると思います。

↓こちらは、アメリカのFBIのサイトにあったイラストです。

FBIは、
①隠しカメラ
②カード情報読み取り機(スキマー)
③ニセキーボード
に注意しろ、と呼びかけています。
ニセキーボードに関しては、後でまた写真を紹介しますが、これも暗証番号を盗むための手段です。ここでも、やはり、「カード情報と暗所番号をセットで盗む」というのは一緒ですよね。
スキミング手口 進化の歴史
スキミングに詳しい人だと、今までのところを読んで、「あれ?お店で店員にスキミングされるときって、暗証番号がなくても犯罪が行われるけど、あれってどうなの?」と思われたかもしれません。
そういう疑問のために、少し、スキミング手口の歴史を見てみましょう。
日本情報安全管理協会(JILCoM)の情報によると、スキミングの手口は、このように発達してきました。
●1980年代
店での支払い時に、店員の手によるスキミング
●1995年頃
ATMスキミングが登場
●2002年頃
無線式ATMスキミング(回収不要)が登場
●2003年頃
非接触式スキミングの登場
古い手口である、店員の手によるスキミングは、カード所持者のサインが必要で、また実行犯を特定しやすいことから、最近では、 模様です。また、このタイプのスキミングだと、遭った場合には、カード会社に自分がちゃんとサインしたカード明細を見せることで、カード会社も支払をストップする対応をしてくれやすいようです。


次に、最新の非接触式スキミングに関してですが、これは、我々素人が抱く第一印象としては、「ポケットやカバンに入れていても読み取られるなんて、怖い!!」と思うのですが、実は、 模様。
というのも、この
からです。私達がよく使うクレジットカードや銀行キャッシュカード、デビットカードの多くは、「接触式カード」ですので、1ミリでも離れていると、中の情報を読み取ることはできません。
また、この「非接触」式スキミングに関しては、さらに言うと、読み取られたとしても、内蔵されているICチップの暗号化技術が高いので、犯罪に使いづらい、という現実もあります。2014年の日刊SPAの記事で、「半径100m以内のカードデータを抜き取れる最凶のスキミング機が上陸間近」というものがありましたが、あんなのは恐れるに足らず。犯罪に使えないデータを膨大に集めるだけで、逆に、犯人も使いづらいと考えられます(あくまで現時点での話ですが)。
そんなこんなで、非接触式スキミングの犯行は、そこまで流行していません。
現在は、ATMスキミングが全盛。しかも簡単にできてしまう
以上のような感じで、今現在は、ATMスキミングが全盛です。
1995年に出てきた、もともとのATMスキミングは、スキミングの機械をATMに設置し、近くでこっそり見ていて、ターゲットがATMを離れた時点で、スキミング機械を回収しに行く、というやり方でした。
そして、2002年頃に出てきた、無線式ATMスキミングは、無線でカード情報や暗証番号情報を飛ばすので、犯人は、スキミング機械を回収しに行く必要がなく、捕まるリスクが少なくなります。

ただ、無線式ATMスキミングは装置が高価で技術も必要なため、今でも無線式ではないATMスキミングを選ぶ犯人も多いようです。
無線式ではないATMスキミングが簡単にできてしまう例として、こんなものもあります。暗証番号を盗むだけなら、↓このように、なんと、携帯電話そのままを使って、ビデオ撮影するだけでできてしまうんです。

スキミングに関する勘違い
スキミング犯罪に関しては、上で書いたように勘違いも多いので、ここで一旦まとめておきます。
全てのカードで、カード情報は服やカバンの上から非接触でスキミングできる!←勘違い!
⇒非接触でスキミングできるのはSuicaやPASMO、iDやQuickPay、nanaco、Pontaなどの非接触式ICカードだけ。
●勘違いその2
ICカードは非接触でスキミングが行われるので危険だ!←勘違い!
⇒接触式、非接触式に関わらず、 ので、磁気カード式よりも安全性が高い。
●勘違いその3
スキミング防止カードを持っていれば安心!←勘違い!
⇒スキミング防止カードは、非接触式ICカードを守るだけ。多くのクレジットカードや銀行キャッシュカードは接触式なので、そもそもスキミング防止カードは必要ない。
●勘違いその4
カードをスキミングされたら、暗証番号も盗まれる!←勘違い!
⇒ ちなみに、ネットショッピングでカード払いするときに使う、セキュリティコード(カード裏の数字の最後の3桁)も、カードに磁気情報として内蔵されていない。
では、以上のような基礎知識をふまえた上で、次に、具体的な対策や防止策をまとめてみます。
世界各国の警察が指摘している方法をまとめてみました。
スキミング対策/防止策
お店でのスキミングと、ATMでのスキミングを分けて、防止策を解説します。
お店でのスキミング防止策

【対象場所】
ホテルのフロント、タクシー、レンタカー、レストラン、居酒屋、バー
まずは、
● 危険そうな場所では現金払いにする。
↑これは基本ですね。
ただ、「何が危険なのか?」「どういう危険があるのか?」を知っておく必要がありますね。詳しく説明していきましょう。
お店でカード払いするときは、①サインをする場合、と、②暗証番号を入力する場合、の2つがありますよね。それぞれの注意点を書いておきます。
カード払い時にサインをする方式の店の注意点
カード払いのときにサインをする方式の店は、昔からの古いカード決済方式です。この場合の注意点は、
【カード払い時に】
●目の前でカードを機械に通してもらう。
●カードを、二度、通していないかチェック。
●もう一つ別のカードリーダーに通していないかチェック。
↓こんな小さいカードリーダーもあるので、必ず、自分のカードは目の届くところで機械に通してもらうべきです。

カード読取りの機械から明細が出てきたのに、店員が「読取りに失敗したから、もう一回カードを通してくれ」などと言われた場合は、必ず、帰ってから、公式サイトで利用履歴をチェックしましょう(海外での決済は反映まで数日かかることもあります)。覚えのない支払いは、カード会社に支払を拒否することができます。↓こんな例もあります。
【二度通しの例】
カード二度通しの犯行例
…知り合いは、同じレストランで1回分の食事代を3回分も水増し請求されてましたけど、 直筆サインが1枚しか出てこなかったので、2回分は払い戻されてました。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1045573860
ただ、↑このサインする方式の店の場合、覚えのない請求は拒否できるので、まだ被害は少ないです。実は、怖いのは、↓こちらの暗証番号入力型の場合です。
カード払い時に暗証番号を入力する方式の店の注意点
暗証番号方式の場合ですが、さきに、ポイントを書いておきます。
ですので、
【カード払い時に】
●暗証番号は絶対に見られてはいけません(店員にもカメラにも)
↓こんなのはバカ丸出しです。「私のカードで不正利用してください!」と言っているようなものです。絶対にやってはいけません。

必ず、↓こうやって手で隠して暗証番号を入力してください。

慣れないうちは、店員さんを疑っているみたいで、申し訳なく感じるかもしれません。でも、しかたないのです。暗証番号を盗まれた場合は、被害は全部自分で負担することになるのですから、それよりはマシです。ちゃんと堂々と隠しましょう。
また、店員の目から隠すだけではなく、
です。実際に、フィジーで、店内カメラから暗証番号を盗まれ、不正利用された、というブログ記事がありました。↓これです。フィジーの生活 「いきなり、カード詐欺」 – 南国フィジーで、のんびり退職生活
犯罪現場は、↓こういうイメージですね。こういう感じで暗証番号が撮影されたわけです。

「店内カメラも悪用される可能性がある」ということを覚えておき、カメラで暗証番号が撮影されないように注意しましょう。
ATMスキミングの防止策
【対象場所】
銀行ATM、コンビニATMだけではなく、セルフのガソリンスタンドも要注意。
ATM選びのポイント
●
●できるだけ銀行内のATMを使う。
●ガードマンがいるATMが理想。
●コンビニやショッピングセンターのATMは、銀行ATMより犯罪が多い。
●人目につきにくいATMは避ける。
●犯罪者はガードマンや店員など監視の目が少ない土日が好き。
●外よりは建物の中のATMのほうが安全。犯罪者が近寄りづらいので。
●ATM機が複数台並んでいるところが◎。隣のATM機と比較して異常を発見しやすいので。
●利用者が多く混んでいるATMは、犯人が細工する時間が少ないので犯罪は少ない。
●旅行者の多い地区のATMは狙われやすい。
ATMの選び方については、別記事に、写真付きで解説しています。
記事:海外で安全なATMと危険なATMを見分ける方法
ATMコーナーに入る時も注意

●ATMコーナーのドアを開けるのにカードを通す必要がある場合、まず、そのカード差込口を疑う。多くのニセ機械は、両面テープで、本物の機械の上に貼り付けてある。
● そうすると盗み取られてもカード情報と暗証番号が一致しないので犯人が使えない。ドア開閉に通すカードは、クレジットカードやキャッシュカード以外でも、お店の会員カードなど磁気テープが付いているカードなら開くことも多い。
ATMのカード挿入口のチェック
●複数並んでいるATMの場合は、他のATM機と色や形が一緒か確認する。
●カード挿入口はカードが入れやすいようにへこんでいることが多い。怪しいカード挿入口の特徴は出っ張っていること。




↓このように、上にかぶせる形で付けるので、ニセ挿入口は出っ張るんですね。



↑上の写真を見て「こんなに出っ張ってたら、そりゃわかるわ!」と私も思ったんですが、↓この下の写真のように、元から出っ張っているデザインのものもあるようなので、やっかいです(汗)

●あまり出っ張っておらず見分けにくいスキミング機械↓もあるので注意。


↑このデザインのATMは、スキミング被害が多いようなので、要注意ですね。 と良いかもしれません。FBIにも同じタイプのATMの写真がありました。

下は、同じデザインのATMで、カード読取り機に、隠しカメラも一体となったタイプ。カメラの穴が暗証番号のキーボードへ向いています。


↑
と言えます。これも覚えておきましょう。●汚れや傷、接着剤や両面テープの跡があったら要注意。カード挿入口の付近をよくチェックすること。部品が浮いていて隙間がある場合も怪しい。電線が出ているのもダメ(=アンテナの可能性)。

●部品が文字やマークなどと重なって隠れている場合も要注意。

↓こちらは、ガソリンスタンドのカード挿入口なのですが、こんな小さな機械で読み取ってしまうのですから驚きです。でも、よ〜く見ると、青と赤のラインが、上に載せたスキミング装置で切れているのがわかると思います。こういうのが目印になります。



不自然なすき間を作らないために、↓こんな大きなカバーを作る犯人もいます。


見分けづらいスキミング装置も多いのですが、海外のいくつかの警察が勧めていた方法がコレ↓
●
スキミングの機械は犯人が持って帰りやすいように、簡単に取れるようにできている。●
スキミング装置を付けたことで、カードが引っかかっている可能性が高いため。暗証番号を犯人が解読する手口
【ニセキーボード】

●暗証番号を打つキーボードは、上からニセキーボードがかぶされていないか、よくチェックする。すき間やズレ、ガタつきがないか。

隠しカメラ(ピンホールカメラ)を見つけるポイント
●隠しカメラの目的は暗証番号。入力用キーボードが撮影されていないかをチェック。
●キーボードの方向に向いた穴がある場合、ピンホールカメラの可能性。(スピーカー穴も穴の奥を見てみる)


●ATMのテレビ画面の上などに貼り付けてあるものをチェック。

コンセントに似せたものもある。

●隣ATMとの仕切り壁にある、明細を捨てるゴミ箱や、広告入れの箱。


●
新聞や雑誌で隠すのも良い。世界各国、いろいろな地域の警察の情報を調べましたが、すべての警察が暗証番号を手で隠して入力することを勧めていました。↓こちら、スキミング犯が設置した隠しカメラで撮ったビデオを見てみてください。手で隠すことが、いかに有効か、わかるはずです。(前半は犯人がスキミング装置を設置する様子。1:10から被害者が暗証番号を入力する様子)
●もし、現金引き出し後やキャンセル後にカードが戻ってこない場合は、すぐにカード会社に連絡する。
●スキミング機械を発見しても騒がない。犯人は、取り付けた機械を回収するために、どこからか覗き見していることも多いから。
暗証番号を盗まれると、保険は無効?!
「暗証番号を盗まれると、保険で補償してもらえなくなる」という事実、知ってましたか?
私もカードの不正利用について調べ始めてから、この事実を知って非常に驚きました。暗証番号が他人に使われたときは、「クレジットカードの管理義務違反」や「暗証番号の管理義務違反」の責任を問われるため、被害を保険で補償してもらえなくなる可能性があるそうです。(実際の対応は、カード会社の判断によるそうです)
参考:JCBカード公式サイトより
暗証番号は第三者に知られないよう、厳重に管理してください
第三者に暗証番号を知られた場合は、カードを紛失した後、ATMから現金を引き出されてしまう等の不正使用被害に遭っても、暗証番号の管理義務違反とされ本人請求となるケースが多いので、十分にご注意ください。【カードの暗証番号の管理で避けるべきパターン】
●暗証番号をメモなどに書いて、カードと一緒に財布等に保管している
●暗証番号を推測されやすい数字(生年月日、電話番号、車のナンバー等)に設定している
●暗証番号式ロッカーなどでカードと同じ暗証番号を使用している
●ICカード免許証の暗証番号と同じ番号を使用し、運転免許更新時の「暗証番号申告用紙」をカードと一緒に保管している
↑このような場合は、不正利用されてもカード付帯の保険では補償してもらえないということですね。今後は、注意しましょう!
暗証番号の流出防止方法

では、その大事な暗証番号の守り方のまとめ、です。
●暗証番号を打つときは必ず手で隠す。見られたり録画されないように。
●ロッカーや貴重品入れ、パソコンやカバンなどの他の暗証番号を、カードと同じ暗証番号にしない。
●暗証番号は定期的に変える。特に海外旅行で利用した後は変更必須。⇒とりあえず
●絶対に他人に教えない。
貴重品ボックスの暗証番号が盗まれ、クレジットカードが不正利用された事件は、2012年11月に奈良県や山梨県などのゴルフ場で起こりました。手口は、貴重品ボックスに設置した隠しカメラ。貴重品ボックスに使われた暗証番号がクレジットカードの暗証番号と同じだった人が多く、被害が拡大したようです。また、これらの事件では、暗証番号が別のものになっていても、免許証や保険証からわかった生年月日を使って、暗証番号を推測して不正利用に使われたこともあったとのこと。
貴重品ボックスと言えば、ゴルフ場以外にも、スポーツジム、テニスコート、温泉、エステ、マッサージ店、ホテルの部屋の貴重品ボックスなどにもありますよね。どこで盗撮されているかわかりません。くれぐれも、カードの暗証番号と同じ番号を使わないようにしてください。
古典的なスキミング手口

隠しカメラやカード読取機を使わない、古典的なATMスキミングの手口も紹介しておきます。(中国のサイトから集めた情報)
●カード差込口が、カードが戻って来ない状態に細工される。犯人は、利用者を待ち、暗証番号を盗み見する。ATM利用者が、カードが返ってこず、人を呼びに行ったりしてATMから目を離した隙に、そのカードが奪われる。
●カード差込口が、カードが戻って来ない状態に細工される。カードが戻って来なくて助けを呼ぶと、ニセの銀行員が来て暗証番号を尋ねられる。(ATM上の連絡先の電話番号が変えられている)
●カード差込口が、カードが戻って来ない状態に細工される。ATMに慣れていない利用者を待ち、助けてあげるフリをして、信用させる。その後、「カードが戻ってこないから銀行員を呼んできてくれ」と言われ、呼びに行く、その隙にお金とカードが奪われる。
●お金の取出口からお金が出ないように細工する。利用者が「お金が出てこない?」と思って、銀行員を呼びに行った隙に、お金を盗られる。海外は現金取出口が上向きではなく、横に向いていて、中がよく見えないことも多い。
●ATMの列の後ろから「早くしろ」と急かされる。焦って入力している間に暗証番号を盗み見される。その後、「モノが落ちましたよ」と言われ、下を見ている隙に、カードを盗まれる。
●暗証番号を盗み見し、捨てられたカード利用明細からカード番号を読み取って、不正利用する。(利用したATMで、明細にカード番号全てが出てしまうかどうかは要確認。大体は一部しか出ない)
●一人が暗証番号を覗き見し、もう一人がカードを素早く持ち去る。
【重要】その他、やっておくべきこと
ATMやお店以外で、やっておくべきことをまとめておきます。
● カードの盗難保険の有効期限は60日のことが多いので、早めにスキミングなどの不正利用に気づくことが重要。海外旅行のときATMで海外キャッシングをするなら、海外旅行時は毎日、ネットで利用明細を確認することが理想。
●レシート(カード利用明細)を保管しておく。証拠になります。
●旅行の時は、複数枚カードを準備し、一つが使えなくなっても大丈夫にしておく。もっと言えば、↓こちらのほうがオススメ。
● 自分のメインカードが利用停止になると、いろいろなサービスに登録したカード変更手続きも面倒で、ダメージが大きい。なので、利用停止にしても痛くない海外旅行専用カードを作ると良い(そして利用限度額を下げておく)。デビットカードなら銀行口座内のお金を少なくしておく。
●カード会社に「スキミング被害に遭ったら、どう手続きをしたらいいか」を事前に尋ねておく。日本での手続きが必要かどうか。カード会社によっては海外からの手続きを受け付けないことも。また、国際電話は高額なので、スカイプやLINEなど、国際電話以外の連絡方法を聞いておく。
●キャッシュカードやクレジットカードは、自分の手から離さないようにする。
● 自分がいた場所の証明を残す。
GPSロガーというのは位置情報を記録するものです。スマホのアプリであります。カードを不正利用された場合、自分が別の場所にいたことを証明する必要があり、位置情報が残っていれば証拠になります。もちろん、GPSロガー以外でも、飛行機や電車のチケットも証拠になります。覚えておきましょう。
海外旅行専用カードのおすすめな使い方
引落口座に、今後使う予定の金額だけを入れたカードを作る。ただし、これらのカードは即お金が引き落とされるので、不正利用されたときには、手続きが面倒でお金が戻ってくるのに時間がかかる、という短所があります。参考記事:デビットカードやマネパカードは不正利用に弱い
●クレジットカード
クレジットカードの中には、繰上げ返済をすることで、すぐに利用限度額が満額まで戻るカードがあります。外貨両替手数料比較表で上位に掲載している ので、利用限度額を5万円くらいにしてしまい、利用ごとにスマホから繰上返済してしまえば、大金が不正利用されることはありません。
スキミングに遭ったかも、と思ったら、やるべきこと
●まず暗証番号を変更。
●カード利用明細をネットで確認。(海外利用だと反映に2、3日かかるのが普通。ジャックスは特に遅い)
●心配ならカード会社に電話連絡。今の自分の居場所を連絡し、明細に反映されていない部分で、変な場所で利用がないか確認。(この時点では、まだカードを止める必要はない)
スキミングに遭ったことが、ほぼ確実な場合にやるべきこと
●カード会社に電話連絡し、不正利用を報告し、カードを止めてもらう。
●証拠があれば提出。
●警察への届出はカード会社の指示に従う。
●カードによっては異議申立書を書く必要あり。
●カードによっては銀行引落ストップができず、一旦支払が必要で、調査後にお金が返ってくるケースもある。
まとめ
以上、かなりの長文になってしまいましたが、いかがでしたでしょうか。
初めてスキミングのことを調べた方には、「やること多すぎて、わかんねーよ」と、なったかもしれません。一応、とりあえず最低限やっておくとしたらコレ、というのを出すと、↓こんな感じかと思います。
●海外旅行時はカードの暗証番号を変えておく
●ガードマンがいる安全なATMを選ぶ
●利用明細をネットで見れるようにしておく
●カード会社の連絡先をチェックしておく
●限度額を低くした海外旅行用カードを準備
ATMの見分け方などは、最初は、なんとなくの怪しいATMの雰囲気を覚えておく、くらいでいいと思います。場数を踏むことで、わかってくるでしょう。
スキミングや不正利用と聞くと、「カード利用は怖い」と思うかもしれませんが、大金を持ち歩くよりはずっと安全で、便利です。両替レートも良いですしね。
対応方法さえ知っていれば、かなりのカード犯罪は防ぐことができ、また遭ったとしてもダメージを無くすことができます。
このページの情報が、役に立つと幸いです!
また最新情報が入れば、順次、追加していく予定です。
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そもそも、ATMを使わない、別の方法として、「カード払いをする」という手もアリかと思います。特に最近は少額決済なら、タッチするだけで暗証番号入力も必要ないカードも増えていますしね。(「VISAタッチ」や「マスターカードコンタクトレス」、「アメリカン・エキスプレス・コンタクトレス」など) 暗証番号入力をしないなら、暗証番号を盗み見られることはありません。
カード払いなら、↓このカードが一番お得です。(指定10通貨限定ですが)
ただし、タッチ決済(コンタクトレス決済)可能なカードは、カード自体を盗まれると、他人でも支払いできてしまうことには注意しましょう。
今回の内容は大変参考になりました。以前、中国に渡航し約10カ月後にオーストラリヤでカードを使用したか?とカード会社から問い合わせがありました。当時は豪州への渡航が無かったのでその旨を伝えた所、カード会社はその使用を停止して頂きました。カードは新たに再発行して頂けましたが、当時の使用履歴は10万前後で3回の請求でした。助かって良かったですが今回の請求内容がカード会社のルールに当てはまったようでした。例えば航空機や切符などの停止は、いざと言うときに迷惑がかかるので、抜ける恐れがあるとの事でした。
千葉さん、コメントありがとうございます!
カード会社は、不正利用のパターンに当てはまるものは、自動的に停止したりするようですね。「航空券や切符などは停止しないこともある」という情報は初耳でした。情報提供、ありがとうございます!
大変為になる記事をありがとうございます!ワーホリでオーストラリアに滞在を予定しています。個人での海外旅行経験は何度かあるものの、スキミングについての対策知識ってあまり国内では見当たらないので不安なところ、こちらの記事に出会いました。とてもまとめられているので、手口と対策がわかりやすかったです。ご共有いただきありがとうございます!
Mihoさん、嬉しいコメント、ありがとうございます!この記事は、かなり気合を入れて作ったので、ホメていただけて、すごく嬉しいです!!
現在中南米を一周中に、スキミング被害に逢いました。
3日前までコロンビアに居たのですが、時間外で銀行が開いておらず、スーパーの警備員付のATMで引き下ろしました。そのときに被害に遭った模様です。(他のATMコーナーと違い、ライフルを持った警備員ではなく、おじさんが立っているだけの簡易的な警備でした、、)
ブラジルに渡航して空港のATMを利用して数時間で、度々不正利用があったようですが(途中でカード会社がカードを止めてくれました)、その会社によると、1-2日では偽造カードの製造が難しいため、コロンビアで盗み取られた可能性が高いそうです。
かなり気合を入れてこの記事を作ってくれたとのこと、誠にありがとうございます。日本国内外で起こりうるので、友人や家族など、大切な人たちにリンクを送りました。
ちなみにお金は2週間以内に返金されるようです。(デビットとクレジット機能付きのカードでしたが、片方の情報のみ、盗み取られた様です)
これからはのむてつさんの記事を参考に二度と無いように気をつけます。
有益な情報をありがとうこざいました。
さいるんさん、お褒めのコメント&体験談、ありがとうございます!
被害に遭ったとのこと、災難でしたね…。「1-2日では偽造カードの製造が難しい」などの新情報、本当に貴重です。ありがとうございます。最近は、Paypay事件なども含め、用心してても不正利用が起こりうるので、自分で気をつけつつも、明細確認は欠かせないようです。
怖い時代になったとも思いますが、カード利用が便利でお得なことは間違いないので、お互い、上手に活用していきたいですね!
のむてつさん、スキミング手口のページは非常に役立ちました。来月、海外に行きますのでとても勉強になりました。気をつけます。ありがとうございました!感謝します!
和ちゃんさん、嬉しいお褒めのコメント、ありがとうございます!!気をつけて行ってきてくださいね〜。
のむてつ さんはじめまして。
これまで海外では、クレジットカードメインで支払いをしていました。ある程度不安はありましたが、この記事を読んでとても参考になりました。色々な手口があり驚きました。怖いです。
今回から両替は、ATMを利用してクレジットカードから行うことに決めましたので助かります。
メインカードに加え、今月、海外でのキャッシング(両替)や支払い専用のセディナ(リボ払い)カードを作りました。カードが届いてから支払い方法を一括払いに変更し、ネットからペイジーを利用して繰り上げ返済する予定です。しかし、アコムがお得とは知りませんでした。サラ金のイメージがあり、高金利と思っていました。アコムを追加で発行する予定です。
ただし、セディナは、貯めたポイントをマイルに交換できることや海外での利用、国内の一部コンビニやスーパーでポイントが3倍の1.5%還元になるメリットもあるのでどちらが良いのか分かりません。
オッタンさん、コメントありがとうございます。アコムかセディナJiyu!da!、どちらが良いか、とのご質問についてですが、結論から言うと、↓こうです。
●カード払いなら、セディナJiyu!da!
●キャッシングなら、アコムACマスター(韓国以外)
●韓国でのキャッシングなら、セディナJiyu!da!
というのが、お得でオススメです。
ポイントは、キャッシング時には、もらえないので、単純に利息が少なく返済できるアコムがお得です。一方、カード払いでは、アコムはお得ではないので、セディナJiyu!da!のほうがお得になります。
のむてつさんこんばんは。ヒデノリです。お久しぶりです。今回はスキミングについてお聞きしたいです。
実は今回はATMのスキミングではなく非接触についてのスキミングです。
ちょっと前に某番組で海外の非接触についてのスキミングを特集していたのですごくセキュリティが大変だと思い、海外に行った時にICキャッシュカードやクレジットカードはスキミング対策が必要だと思い自分で調べていました。
そこで今回は海外の非接触のスキミング対策ののむてつさんのおすすめグッズなど何かありますか? 自分でネットで調べていたところRFID?と書いてある磁気を妨げるパスポート入れやボディーバッグ?っぽいやつ、まあカード1枚ずつ入れるカバーや磁気を妨げるカードなど正直色々ありすぎてどれが効き目があるのか 笑笑 また蛇腹式のカード入れでレザータイプのRFID対策と書いてありますがのむてつさんご自身では非接触のスキミング対策では何かやっていますか?
それとのむてつさんの上の文献を拝見させて頂いたのですが非接触でスキミングされる可能性があるのはsuica やPASMO、iDやQucikPay、nanacoやPontaの電子マネー系って本当ですか?
今、主流のICチップ搭載のクレジットカードなどはスキミングされる可能性は少ないですか?
また、今現在の自分の所持しているカードですが住信sbiのICキャッシュカード兼デビッドカードと三井住友銀行のICキャッシュカード兼デビッドカード(iD搭載)
viewカード(suica 搭載) ACマスターカード, au wallet, セディナカード(iD or Qucik Pay搭載??)
今現在、自分が所持しているカードで非接触できる可能性があるカードとしてはsuica やiDやQucikPayが搭載されているカードってことでよろしいでしょうか?
非接触に対するスキミングの知識をもう少し身につけたいです。
あ、それとちょっと関係ないんですけどのむてつさんはクレジットカードって直接重ねてカード入れとかに保管してますか? よくクレジットカードは磁気が弱まったりするから直接重ねない方がいいとか言いますよね?
おそらくのむてつさんも数多くのカードホルダーだと思いますが海外行く時はのむてつさんもRFID対策のカードやポシェットなどに入れて保管されてますか?
のむてつさん、今回も長文になってしまい大変申し訳ないのですがぜひのむてつさんのご意見をお聞かせください。
よろしくお願いいたします(ー ー;)
ヒデノリさん、ご質問ありがとうございます!
↑非接触スキミングに対しては、私も、ここの記事を書いてから、日本の記事や英語の記事なども調べていたんですよ。でも、「対策が必要」という人もいれば、「対策は必要ない」という人もいて、正直、結論を出せずにいます。
とりあえず言えることは、高価なRFID対策専用の財布やケースは必要ない、ということ。アルミホイルで十分、信号を妨げられるみたいですよ。私自身も対策ケースには入れていません。
また、接触式カードを複数、重ねて持っているだけでも、非接触の読み取りはしづらくなります。だから、という訳ではないのですが、私、直接重ねて持っちゃってます(笑)。
↑今、クレジットカードの読み取り方式は、大きく3つあります。
①磁気ストライプ(カードの裏の黒い線。一番古い)
②接触型ICチップ(カードの表の金の正方形)
③非接触型ICチップ(suicaやPASMO、iDやQucikPay、nanaco等)
①と②は、読み取り方式自体が接触型なので、非接触ではスキミングは不可能です。
じゃあ、ヒデノリさんのご質問の、「主流のICチップ搭載のクレジットカードなどはスキミングされる可能性は少ないですか?」に関しては、②の接触型ICチップがスキミングに遭うことは、ほぼないのですが、③の非接触型ICチップの機能も搭載しているカードもあるんです。
iDやQucikPayがそうですが、それ以外にも、VISAのPaywave、Mastercardコンタクトレス、アメリカン・エキスプレス・コンタクトレス、といったものもあります。これらは非接触型なので、読み取られる可能性があります。
ただ、②③に関しては、「読み取られても安全だ」という話もあるんです。
①の磁気ストライプは、カード情報が暗号化されずに載っていたのでダメなのですが、②③に関しては、強力に暗号化されているので、読み取れても解読できず使えないでしょ、というのが、「読み取られても安全だ」という人たちの意見です。
そして、実際に、2017年くらいの記事(英語記事)では、「非接触スキミングでの犯罪例は、実際にはまだ見られていない」という記述もありました。
ただ、もっと新しい記事を見ると、「非接触スキミングの犯罪は増えている」という情報もあるので、私も結論が出せてないんです。ただ、「増えてるよ」という記事は、単に対策グッズを売りたい人が書いている可能性もあるので、もっと世界の警察などのデータを見なくちゃな、と思っているところです。