タイATM現金引出し(キャッシング)の手数料と節約方法 2023年7月調査

2023年7月のタイ・バーツ外貨両替 現地調査の中の、タイATMでの海外キャッシングの詳細解説が、この記事です。

2023年7月のタイ現地調査の結果、お得な両替方法の全体像は、↓こんな感じでした。

タイバーツ両替手段別ランキング2023年7月
①お得クレカ(アコムセディナ)でATM引出&繰上返済(0.03〜0.6%)
②タイの格安の両替所(0.1〜1%)
③スワンナプーム空港地下の両替所(1.2〜1.4%)
④現地でカード払い(2〜4%)
⑤一般的なクレカで現地ATM引出し(1.5〜2.5%)
⑥日本の格安の外貨宅配(3.5〜3.7%)
⑦ドンムアン空港 銀行窓口(6.7%)
⑧現地ATMで極悪DCCレート(11%)
⑨日本の空港 両替所(11〜14%)
⑩スワンナプーム空港ロビー 銀行窓口(13%)

↑このように、お得なクレカ(アコム、セディナ)での海外ATM引出し(=海外キャッシング)が一番お得と判明。

では、具体的に、海外キャッシングで、なぜ手数料が少なかったのでしょうか?どういう手数料がかかったのか、見ていきたいと思います。

2023年7月のタイ現地ATM調査では、6種類の銀行ATMで、5枚のカードを使い、11回のATM引出しを実行。すると、わかったことは、ATMでの海外キャッシングがどのカードでもお得なわけではないということです。

結論から言うと、↓このように、アコムとセディナが圧倒的にお得。

※手数料率は、利息やATM手数料、レート上乗せ(両替手数料)などを全て含めた「総手数料率」で算出。総手数料率が小さいほうがお得なカードという意味です。

2023年7月タイATM引出し結果
タ【手数料0.03%】💳アコムMaster ATM引出&繰上返済(7/4夜)
タ【手数料0.3%】💳アコムMaster ATM引出&繰上返済(7/4昼)
タ【手数料0.6%】💳セディナMaster ATM引出&繰上返済
タ【手数料0.7%】💳エポスVISA 3万バーツ ATM引出&繰上返済*
タ【手数料1.1%】💳エポスVISA 1万バーツ ATM引出&繰上返済*
タ【手数料1.5%】💳ジャックスMaster ATM引出&繰上返済なし
タ【手数料2.5%】💳リクルートJCB ATM引出&繰上返済なし
タ【手数料5.8%】💳VISAデビット 1万バーツ ATM引出*
タ【手数料5.9%】💳エポスVISA 100バーツ ATM引出&繰上返済(7/4)
タ【手数料7.0%】💳エポスVISA 100バーツ ATM引出&繰上返済(7/6)
タ【手数料11.0%】💳クレカ DCC 1万バーツ ATM引出し*

*印は計算で出したものです。
・エポスは、一定額の海外ATM手数料を取るカードなので、引出し金額が多ければ多いほど手数料率が低くなることを算出。
・デビットカードは、ATMオーナー手数料220パーツが取られるので、VISAのレートにそれを上乗せして算出。
・DCCレートはATM画面に出た数値で算出。

↑この結果は、2017〜2019年のバンコクでの調査結果と、ほぼ同じです。アコムの強さは2017年から変わっていません。

目次

タイATM引き出し(=海外キャッシング)の結論

タイATMで海外キャッシングの結論

タイATM引き出し(=海外キャッシング)の結論としては、↓こうです。

タイATM引き出し(=海外キャッシング)の結論
タイではアコムで繰上返済するのが最もお得【手数料ほぼゼロ】。
●タイでも2番目にお得なのがセディナカード。
●お得に済ませるなら繰り上げ返済は必須。
●アコムとセディナは繰上返済が無料でできる。
●繰上返済ナシなら、利息が少なくて済むジャックスカードが良い。
●海外ATM手数料を取るカード(エポス、楽天、三井住友など)は損。
●ATMオーナー手数料220バーツは、日本のクレジットカードなら取られない。
●どの銀行ATMでも手数料は同じ。安全な場所のATMを選ぶべき。

↓下に、結論の内容を詳しく解説します。

なぜアコムとセディナだけこんなに良いのか?

タイATM現金引出し(キャッシング)の手数料

なぜアコムとセディナだけこんなに良いのでしょうか?それは手数料が安く済むからです。

現地ATM引き出し(=海外キャッシング)の時の手数料は、5つ。

海外ATM引出しの手数料
①両替手数料:Visa/Master/JCB/AMEXが取る。両替レートに含まれる。通貨ごとに率が違い、メジャー通貨は安く、マイナー通貨は高い。
②海外ATM手数料:カード会社が取る(→取る会社/取らない会社一覧)。1万円超220円/回、1万円未満110円/回
③ATMオーナー手数料:銀行等ATMの持ち主が取る(クレカは無料)。例 タイ220バーツ(約900円)
④利息、海外事務手数料:クレカは利息(1日0.05%ずつ=繰上返済で減らせる)。デビット/プリカは海外事務手数料(3%など一定額=減らせない)
⑤繰上返済の手数料:国際電話代と振込手数料。アコムセディナエポスなら無料。

↑この①〜⑤の手数料は、↓こんな感じでカードによって取る取らないの違いがあります。

カードごとに取られる手数料は違う
カードごとの海外キャッシング手数料比較

↑これを見るとわかりますが、どのカードでも海外ATM引出しがお得なわけではないのです。デビットカードやプリペイドカード、一般的なクレカなどでは結構な手数料が取られます。アコムとセディナの2つが極めてお得と言えます。(参考記事:アコム解説ページセディナ解説ページ)

タイでの節約ポイントは、③のATMオーナー手数料の220バーツ(約900円)の節約です。これはクレカの海外キャッシングなら取られません。

その意味では、タイではデビットカードでのATM引出しは厳禁。かなりの損になります。

では、①〜⑤の手数料を、もう少し詳しく見ていきましょう。

①両替手数料:アコムのレートは他のMastercardと同じに

以前は、アコムの両替レートは他のマスターカードよりも良かったのですが、現在は他のマスターカードと同じになってしまいました。

③ATMオーナー手数料220バーツはクレカなら無料

クレカでの海外ATM引出しは「借金」の扱いです。「借金」と聞くと嫌がる人もいるかもしれません。でも海外ATM引出しは、借金であるからこそ、2つのメリットがあります。

借金であることのメリット
●③のATMオーナー手数料が取られない
●早期返済で④利息(=手数料)をかなり減らせる

前者の「③のATMオーナー手数料が取られない」ですが、これは日本の法律によるものです。「借金では、所定のATM手数料(つまり②)と利息以外は取ってはならない」というルールがあるので、③のATMオーナー手数料が取られないんですね。

タイでは、③のATMオーナー手数料は、220バーツ(約900円)と大きいです。

④クレカの利息は繰上返済で減らせる。デビットの海外事務手数料は減らせない

海外キャッシングの場合、利息は毎日増えていく

クレカでのATM引出しは「借金」なので、利息がかかります。利息は1日1日増えていきます。一般的なカードは「年利18%」なので、「年利18% ÷ 365日 ≒ 0.05%」で、毎日、引出した額の0.05%が増えていきます。

繰り上げて支払うことで利息を止めるのが繰上返済

5万円分の外貨を引出したなら、利息は毎日25円ずつ増えます。なので早めに繰り上げ返済(早期返済)したほうがお得です。だから、繰上返済をするのです。

一方、デビットカードやプリペイドカードは利息ではなく、一律の海外事務手数料として取られます。その相場は3%〜5%。デビットカードを使い、5万円分の外貨を引出ししたなら、5万円×3%=1500円。5%なら2500円が必ずかかり、これを減らす方法はありません。海外ATM利用では、クレカはデビットカードよりお得ということがわかります。(さらに、デビットだと③のATMオーナー手数料もかかります)

1番のアコムと2番のセディナ。差はこの部分

セディナカードのメンテナンス時間画像
セディナは毎月8日は繰上返済が不可

外貨両替に強いアコムとセディナ。ですが、セディナは2つの点でアコムに劣ります。

セディナがアコムに負ける点
●繰上返済がアコムは即時可能→セディナは2,3日後(=そのぶん利息は増加)
●メンテナンス日(=繰上返済できない日)が毎月1.5日間ある

今回は、メンテナンス日が影響しました。返済したい日がメンテナンス日である「8日」に重なり、即返済できず利息が増加。その結果、セディナは今回は【手数料0.6%】に増えてしまいました。

繰上返済ナシの場合は、利息が他のカードより少なくなるジャックスカードが良い【手数料1.5%】

ジャックスカードのこの特徴は以前から変わらずです。普通のカードは海外ATMで引き出した場合、翌日から利息がかかります。一方、ジャックスカードは、海外ATM引き出しの場合、翌月の1日からしか利息がかかりません。その分、お得というわけです。

タイでキャッシングと現金両替、どっちが得か?比較

キャッシングと現金両替どっちが得か

よく質問される「タイでは、キャッシングと現金両替、どっちが得ですか?」という問題を、ここで回答しておきます。

結論:おすすめはキャッシング。大金なら現金両替

結論としては、通常は現金両替よりキャッシングがおすすめ。大金の場合は現金両替を使う、というように使い分けるのが良いでしょう。

2023年7月 キャッシングと現金両替 比較@タイ

タイ現地で、キャッシングと現金両替はどっちが得か、試してみた結果が↓これです。(その他の両替方法も含めた40手段の比較はこちら)

●キャッシング結果
タ【手数料0.03%】💳アコムMaster ATM引出&繰上返済
タ【手数料0.32%】💳アコムMaster ATM引出&繰上返済
タ【手数料0.6%】💳セディナMaster ATM引出&繰上返済
タ【手数料0.7%】💳エポスVISA 3万バーツ ATM引出&繰上返済
タ【手数料1.1%】💳エポスVISA 1万バーツ ATM引出&繰上返済
タ【手数料1.5%】💳ジャックスMaster ATM引出&繰上返済なし
タ【手数料2.5%】💳リクルートJCB ATM引出&繰上返済なし
タ【手数料5.8%】💳VISAデビット 1万バーツ ATM引出
タ【手数料5.9%】💳エポスVISA ATM引出&繰上返済

●現金両替結果
タ【手数料0.13%】VASU両替所 (満員御礼両替所サイト)
タ【手数料0.26%】X One両替所 (満員御礼両替所サイト)
タ【手数料0.34%】SIAM Exchange (満員御礼両替所サイト)
タ【手数料0.34%】SUPER RICH 両替所 (公式アプリ)
タ【手数料0.34%】Grand Super Rich 両替所 (公式アプリ)
タ【手数料0.4%】MARAT EXCHANGE 両替所 窓口 (チェンマイ)
タ【手数料0.6%】Super Rich 両替所 (公式アプリ)
タ【手数料0.6%】Super Rich 1965 (満員御礼両替所サイト)
タ【手数料0.6%】SIA Money Exchange (満員御礼両替所サイト)
タ【手数料0.6%】BTSパヤタイ駅 ZIMPLE EXCHANGE 窓口
タ【手数料0.8%】BTSパヤタイ駅 Super Rich窓口

↑キャッシングは、どこのATMで引出しをしても同じ手数料なので、その分、便利ですね。ただ、カードごとにお得さに違いがあります。お得なのは、アコムとセディナですね。

なぜ、おすすめはキャッシングなのか?大金なら現金両替

キャッシングは、お得で、大金を持ち歩く必要がないというメリットがあります。一方、両替所のメリットは、大きい金額の場合は割引があること。その両方のメリットを使うのが一番お得です。

もちろん、大前提として、↓これらの条件を満たすこと。

・キャッシングなら、お得なアコムかセディナを使うこと。
・両替所なら、レートの良い両替所を調べておくこと。

↑これらの条件を満たした場合、お得さは、キャッシングと現金両替では差はほとんどありません。

タイでは、ATMが多くあり、Googleマップで「ATM」と検索すれば、すぐに探せます。空港にもATMは多数あります。特に、タイの空港の両替所はレートが特に悪いので、空港ではATMを使ってキャッシングでタイ・バーツを手に入れましょう。

両替所は、バンコクの両替所なら、ネットでレートを見れるところもあるので、探しやすいですね。バンコクの両替所のレートをネットで見る方法は、こちら

落とし穴!デビットカードでのキャッシング

上でも書きましたが、デビットカードやプリペイドカードでのキャッシングは、タイでは、かなりの損になるので、しないようにしましょう。1回のATM引出しにつき220バーツ(約900円)のATMオーナー手数料が取られるからです。

これは、ソニーバンクウォレットやRevolutでのATM引出しでも220バーツ取られてしまうので、注意してくださいね。

クレカなら取られません。タイのキャッシングはクレカですることです。

タイでキャッシングとカード払いどっちが得か?比較

キャッシングとカード払いはどっちが得か

では、タイでキャッシングとカード払いは、どっちがお得でしょうか?

結論:キャッシングのほうがカード払いよりお得

結論から言うと、カード払いよりキャッシングのほうがトクです。

カード払いが負ける理由は、海外でのカード払いでは、「海外ショッピング手数料」がかかるから。これは、日本でのカード払いでは取られない手数料で、外貨建ての支払いの場合でだけ、かかるものです。

カード払いの敗因:1.6%〜5%の海外ショッピング手数料

カード払いは、外貨建ての支払いの場合、「海外ショッピング手数料」がかかります。その額は、↓こんな感じ。

海外ショッピング手数料
・クレジットカード:1.6%〜2.2%の手数料
・デビットカード/プリペイドカード:3〜5%の手数料

↑クレカの場合は、ポイント還元があるので、0.5〜1%ほど少なく計算してもOK。

詳しくは、海外ショッピング手数料の記事をご覧ください。

タイでの現地調査でも、↓このように差が出ました。

キャッシングとカード払い比較@タイ(2023年7月)

●キャッシング
タ【手数料0.03%】💳アコムMaster ATM引出&繰上返済
タ【手数料0.32%】💳アコムMaster ATM引出&繰上返済
タ【手数料0.6%】💳セディナMaster ATM引出&繰上返済
タ【手数料0.7%】💳エポスVISA 3万バーツ ATM引出&繰上返済
タ【手数料1.1%】💳エポスVISA 1万バーツ ATM引出&繰上返済
タ【手数料1.5%】💳ジャックスMaster ATM引出&繰上返済なし
タ【手数料2.5%】💳リクルートJCB ATM引出&繰上返済なし
タ【手数料5.8%】💳VISAデビット 1万バーツ ATM引出
タ【手数料5.9%】💳エポスVISA ATM引出&繰上返済
タ【手数料11.0%】💳クレカ DCC 1万バーツ ATM引出し

●カード払い
タ【手数料2.0%】💳JCBカード払い SRT電車代
タ【手数料2.4%】💳JCBカード払い 空港の自販機
タ【手数料2.4%】💳VISAカード払い LINEpay BTS電車代
タ【手数料3.6%】💳ジャックスMasterカード払い Grab
タ【手数料4.0%】💳ジャックスMasterカード払い Grab

(その他の両替方法も含めた比較はこちら)

↑カード払いは、日本のカードがそのまま使えて手軽なのですが、実は隠れた手数料が取られていることは、覚えておきましょう。便利なんですけどね。

タイでソニー銀行デビットカード支払いは約2.5%の手数料

ソニー銀行デビット1

指定10通貨のカード払いなら海外ショッピング手数料が不要な、ソニー銀行のデビットカード「ソニーバンクウォレット」。でも、残念ながらタイ・バーツは対象外。

なので、ソニーバンクウォレットでのタイ・バーツ建ての支払い手数料を試算すると、VISAの両替手数料約0.8%と、海外手数料1.7%で、合計2.5%かかってしまい、あまり得ではありません。

タイでRevolutカード払いは手数料0.14%。でも使い方に注意

revolutカード

タイバーツのカード払いで一番お得なのは、Revolutです。両替手数料のみで、0.14%。(参考:海外手数料無料カード比較)

ただし、Revolutは突然の口座凍結トラブルや、役立たないサポートなどの問題があるので、使い方に注意が必要。そのへんのRevolutの口コミや対策はこちらの記事にまとめています。

なので、やはり、現時点でのおすすめは、キャッシング(ATM引出し)なんですよね。

タイのATMの使い方と選び方はこちらの記事で

タイのATMの使い方のコツ、選び方のコツは、↓こちらの記事にまとめています。

タイATM 現金のおろし方(海外キャッシング)とATM選び方のコツ

まとめ

もう一度、タイATM引き出し(=海外キャッシング)の結論を書いておきます。

タイATM引き出し(=海外キャッシング)の結論
タイではアコムで繰上返済するのが最もお得【手数料ほぼゼロ】。
●タイでも2番目にお得なのがセディナカード。
●お得に済ませるなら繰り上げ返済は必須。
●アコムとセディナは繰上返済が無料でできる。
●繰上返済ナシなら、利息が少なくて済むジャックスカードが良い。
●海外ATM手数料を取るカード(エポス、楽天、三井住友など)は損。
●ATMオーナー手数料220バーツは、日本のクレジットカードなら取られない。
●どの銀行ATMでも手数料は同じ。安全な場所のATMを選ぶべき。

以上、2023年7月調査の結果でした!

↓おすすめのアコムACマスターカードの解説記事です。

セディナより得!!アコムACマスターカード海外キャッシング(ATM引出し)のコツ。為替レート/返済方法など

↓2023年7月のタイ調査のまとめ記事です。

タイバーツ外貨両替40方法の手数料比較。2023年現地調査から